五十肩(肩関節周囲炎)の症状・経過・自宅でできるケア

五十肩(肩関節周囲炎)の症状・経過・自宅でできるケア

この記事は磯村医院の理学療法士の監修のもとに作成されています。医療情報は定期的に見直しています。

「腕が上がらなくなった」

「夜中に肩が痛くて目が覚める」

「服を着るときに激痛が走る」

こうした症状は、五十肩(肩関節周囲炎)の典型的なサインです。

40〜60代に多く見られ、「そのうち治るだろう」と放置してしまう方も少なくありませんが、適切なケアをしないと回復が遅れたり、動きが固まったままになることもあります。

この記事では、五十肩の原因・3段階の経過・整形外科での治療・自宅でできるケアまで、わかりやすく解説します。

五十肩(肩関節周囲炎)とは?

五十肩とは、肩関節の周囲にある組織(関節包・腱・靭帯など)に炎症が起き、痛みと動きの制限が生じる状態です。

正式名称は「肩関節周囲炎」といい、40代以降に多いことから「四十肩・五十肩」とも呼ばれます。原因は完全には解明されていませんが、加齢による組織の変化・使い過ぎ・血行不良などが関係しているとされています。

日本での患者数は年間約150万人にのぼるといわれており、多くの中高年が経験する一般的な疾患です。

五十肩になりやすい人

  • 40〜60代(ピークは50代)
  • 糖尿病をお持ちの方(発症リスクが高いとされる)
  • 利き手側に多い傾向
  • デスクワークや肩を使わない生活をしている方
  • 過去に肩を痛めたことがある方

症状と3段階の経過

五十肩の3段階の経過|炎症期・拘縮期・回復期
炎症期(安静)→ 拘縮期(リハビリ開始)→ 回復期(可動域回復)

五十肩は自然に回復する病気ですが、症状の強さが3段階で変化します。段階によってケアの方法も異なります。

第1期:炎症期(発症〜数週間〜数ヶ月)

  • 安静にしていても痛む(特に夜間痛が強い)
  • 腕を動かすと激しく痛む
  • 炎症が強く、無理に動かすと悪化する
➡ この時期は無理なストレッチはNG。安静と痛みのコントロールが重要です。

第2期:拘縮期(炎症が落ち着いてくる時期)

  • 激しい痛みは減ってくる
  • ただし肩が固まって動かしにくい状態が続く
  • 腕が上がらない・後ろに回せない
  • 日常動作(着替え・洗髪・高いものを取る)に支障が出る
➡ この時期からリハビリ(ストレッチ・運動)を積極的に行うことが回復の鍵です。

第3期:回復期(動きが戻ってくる時期)

  • 痛みが徐々に軽減
  • 肩の可動域が広がってくる
  • 個人差があるが、発症から1〜2年かけて自然回復することが多い
➡ 回復を早めるには、理学療法士による個別リハビリが効果的です。

整形外科での診断・治療

整形外科では次の流れで診断・治療が行われます。

  1. 問診・視診:いつから・どのような動作で痛むか確認
  2. 可動域テスト:腕をどの方向にどこまで動かせるか確認
  3. レントゲン・超音波検査:腱板損傷など他の疾患との鑑別
  4. 治療方針の決定

薬物療法

消炎鎮痛剤(飲み薬・湿布)で炎症と痛みを抑えます。

注射療法

ステロイド注射(炎症が強い時期に有効)、ヒアルロン酸注射(関節の滑らかさを改善)など。

運動療法(リハビリ)

拘縮期〜回復期に特に効果的。理学療法士が肩の状態に合わせたストレッチ・筋力訓練を指導します。

自宅でできるケア・ストレッチ

自宅でできる五十肩ストレッチ3選|磯村医院
振り子運動 / タオルストレッチ / 壁を使った腕上げ
⚠ 注意:炎症期(痛みが強い時期)は行わないでください。痛みが落ち着いてから始めましょう。

① 振り子運動(コッドマン体操)

  1. テーブルに痛くない方の手をついて上体を前傾
  2. 痛い方の腕をだらりと下げる
  3. 前後・左右・円を描くようにゆっくり揺らす(各10〜15回)

✔ 効果:重力を利用して肩関節を無理なく動かし、拘縮を緩和します。

② タオルを使った後方ストレッチ

  1. タオルを背中の後ろに縦に持つ
  2. 上の手でタオルを持ち、下の手(痛い側)をゆっくり上に引き上げる
  3. 痛みのない範囲で10秒キープ × 5〜10回

✔ 効果:後ろに回しにくい動作(結帯動作)の改善に有効です。

③ 壁を使った腕上げ運動

  1. 壁に向かって立ち、痛い側の指先を壁につける
  2. 指を少しずつ上に這わせて腕を上げていく
  3. 痛みが出る手前で止め、10秒キープ

✔ 効果:腕が上がりにくい症状(挙上制限)の改善に有効です。

※ 鋭い痛みが出る場合は中止し、整形外科にご相談ください。

こんな場合は早めに整形外科へ

  • 腕が全く上がらない(突然発症)→ 腱板断裂の可能性
  • しびれを伴う → 頸椎疾患・神経障害の可能性
  • 外傷後から痛み始めた → 骨折・脱臼の可能性
  • 1ヶ月以上痛みが続いている → 早めの受診が回復を早める

よくある質問

Q. 五十肩は放っておけば治りますか?

A. 自然回復しますが1〜2年かかる場合があります。放置すると拘縮(肩が固まった状態)が長引くリスクもあります。痛みが落ち着いた拘縮期からリハビリを開始することで回復を大幅に早めることができます。

Q. 五十肩と腱板断裂の違いは何ですか?

A. 五十肩は炎症による痛みと可動域制限が主な症状で多くは自然回復します。腱板断裂は腱が切れた状態で「腕が全く上がらない・力が入らない」症状が特徴です。整形外科でのMRI・超音波検査で鑑別できます。

Q. 五十肩の夜間痛がひどくて眠れません。どうすればいいですか?

A. 炎症期の夜間痛には消炎鎮痛剤やステロイド注射が有効です。また、痛い側を下にして寝ないよう枕で腕を支える工夫も効果的です。夜間痛が強い場合は早めに整形外科を受診してください。

Q. 四十肩と五十肩は違うのですか?

A. 医学的には同じ疾患(肩関節周囲炎)です。40代の発症を「四十肩」、50代を「五十肩」と呼ぶだけで、病態・治療法に違いはありません。

Q. 一宮市で五十肩のリハビリを受けられますか?

A. 磯村医院(一宮市千秋町)では2026年6月より整形外科診療を開始します。PT・OTが肩の状態に合わせた個別リハビリを提供します。


磯村医院の整形外科・リハビリについて

磯村医院では、2026年6月6日より整形外科診療を開始します。

整形外科医が肩の状態を正確に診断し、腱板損傷などとの鑑別を行った上で、院内のPT(理学療法士)が個人に合わせたリハビリプログラムを提供します。

整形外科 診療日

第1・第3・第5 土曜日 午前(9:00〜12:00)

「五十肩かな?」と思ったら、自己判断せずにお気軽にご相談ください。

まとめ

  • 五十肩は3段階(炎症期→拘縮期→回復期)で経過し、自然回復に1〜2年かかることも
  • 炎症期は安静、拘縮期からはリハビリが回復の鍵
  • 自宅ケアは「痛みが落ち着いてから」が原則
  • 腱板断裂・頸椎疾患との鑑別のためにも、整形外科での診断を受けることが重要

「放っておけば治る」ではなく、適切なタイミングで動かすことが早期回復への近道です。

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監修:磯村医院 整形外科|公開日:2026年5月1日

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リハビリ

この記事は、リハビリ職員(理学療法士、作業療法士)が書いています。私たちセラピストは、利用者様、患者様のニーズを把握した上で目標を設定し、その目標を達成できるようサポートしております。 医療保険内、介護保険内のリハビリテーションに携わりながら、それぞれのリハビリテーションの違いを理解した上で、医療と介護の連携を図っています。

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