認知症は、知的機能低下によってもたらされる生活障害が起こる病気の総称で、いくつか種類があります。
- 主な認知症の種類として
- アルツハイマー型認知症
- レビー小体型認知症
- 脳血管性認知症
- 前頭側頭型認知症
- アルコール性認知症
- 正常圧水頭症
認知症の種類と特徴
一般的に良く知られている、
アルツハイマー型認知症
アルツハイマー型認知症は、異常なタンパク質が脳の神経細胞に蓄積して神経細胞を破壊し、脳が委縮する事で発症します。
親しい人を忘れるなどの記憶障害やここがどこか、今はいつなのか分からなくなる見当識障害などの症状が起こります。
レビー小体型認知症は、レビー小体という異常なタンパクが大脳皮質や脳幹に蓄積しやすく、神経細胞を破壊する事で、神経をうまく伝えられず発症します。
「いるはずのない子供が家の中にいる。」などはっきりした幻視やパーキンソン病のような症状が出るのが特徴です。
脳血管性認知症は脳梗塞や脳出血などで血管がつまったり、出血する事によって、脳の細胞に酸素が送られなくなり神経細胞が死んでしまう事で認知症を発症します。
物忘れなどがあっても判断力の低下は見られないなど、症状がまだらに現れるのが特徴です。
前頭側頭型認知症はピック病とも呼ばれます。
前頭葉と側頭葉の委縮により発症します。特徴として、記憶障害は目立ちませんが、人格が変わる、反社会的行動(万引き、無銭飲食など)を起こすなどの症状があります。
アルコール性認知症は、多量のアルコールを飲むことで、脳梗塞などの脳血管障害やビタミンB1の欠乏による栄養障害などから認知症を発症します。記憶障害、見当識障害、作話などの症状がでます。
正常圧水頭症は脳脊髄液が脳室に溜まり、脳室が大きくなって周りの脳が圧迫される事で起こる病気です。歩行障害や尿失禁などの症状の他、認知症の症状も出ます。
このように認知症にも様々な種類がありますが、その中でもアルツハイマー型認知症について、更に分類をしてみます。
アルツハイマー型認知症
1型:炎症性アルツハイマー病
脳の炎症が原因で起き、食事も深く関与している
2型:萎縮性アルツハイマー病
脳機能の維持に必要な栄養素やホルモンの欠乏で起こる
1.5型:糖毒性アルツハイマー病(1型と2型の混合型)
3型:毒物性アルツハイマー病
カビ毒や歯の治療に使われているアマルガムと呼ばれる水銀を含んだ材料などの毒素から起きる
アルツハイマー病のそれぞれの原因に注目していくと、全てに歯科が絡んでくることがわかります。
アルツハイマー病と歯科との関係
アルツハイマー病と歯科について詳しく見てみると、
特に、3型の毒物性アルツハイマー病の原因の一つでもある、歯科治療で使用する銀歯がアルツハイマー病のリスクを上げている可能性すらあります。
これに関して、現在の保険の歯科治療において、水銀を含むアマルガムの使用は無くなりましたが、昭和時代に歯科治療を行っていた方の口の中には現在もアマルガム治療を施されたまま過ごされている方も多くいらっしゃいます。
近年、現在も保険治療で使用されているパラジウム合金の毒性も注目されはじめ、金属アレルギーなどの点からも歯科治療の材料においては関心が向けられています。
また、歯周病菌から発生する毒素も軽視してはいけません。
1.5型の糖毒性アルツハイマー病については、脳の糖尿病ともいえます。
糖尿病と言えば、歯周病です。
糖尿病と歯周病が深いかかわりを持っている事はご存知の方も多いかと思います。
2型の栄養素の欠乏で考えると、しっかりと咀嚼して食事をする事が出来るかどうか?
体に良い食材、食品を食べても歯が悪くしっかりと噛むことが出来なければ、体に栄養素がうまく取り込まれません。
歯が悪い人は低栄養状態になりやすいのです。
やはり歯科と関りを感じます。
こうして考えていくと、認知症⇔糖尿病⇔歯周病と繋がりが分かります。
認知症に原因として歯科に係るものがいくつもある事がご理解いただけたでしょうか。
認知症までのカウントダウン
認知症はある日突然起こるわけではありません。
少しずつの蓄積により、未病から病気に移行していきます。
この蓄積とは、水銀などの有害金属であったり、歯周病菌などから発生する毒素であったり、栄養不足であったり、異常なタンパクであったり…。
この日々の生活に影響がない少しずつの蓄積が影響を及ぼし始める年代をご存知ですか?
現在認知症の発症年齢は60~70歳代と言われています。
アルツハイマー病の原因の「βアミロイド」は発症の10~25年前から脳内に蓄積し始めると言われています。
という事は、30歳代の中ごろから蓄積が始まっているという事になります。
まさか認知症なんて考える事もない年代ですよね。
ですが、現在のデータから考えると30歳半ばから、認知症のカウントダウンが始まることになります。
「認知症ですね。」と確定診断を受ける前に、出来る限りに認知症に関するリスクは取り除きたいものです。
認知症予防には、歯科医院の受診を
私たち歯科医療の立場から言える事。
それは、口の中に起こっている炎症にもっと関心をもって欲しいという事です。
昔詰めたアマルガム。
日々の生活の中で痛みを感じる事はほとんどありません。が、確実に口の中に溶けだしています。
歯磨きをしたら歯ぐきから出血した。歯が欠けた。詰め物が外れた。口臭がする。
口の中がねばつく。などなど、口の中の変化に対して、
「痛くないから」
「歯医者怖いし…」
「歯医者へ行く時間がない」
歯科医院を訪れるに当たり、行かない理由はいろいろあると思います。
でもそれは、口の中の炎症が慢性炎症だからなのだと思います。
「痛い」「腫れた」「出血が止まらない」などの強い炎症、急性な炎症で来院される方が多いと感じます。
ですが、痛みが無くなると治療の途中でも来院が途切れてしまう方もいらっしゃいます。
でも、痛みなど自覚症状が少ない慢性炎症の毒性の蓄積が、実は本当は怖いのです。
特別症状がなくても、定期的な歯科医院でのケアの積み重ねは、健康を維持するためにはとても重要なのです。
健康的な口腔は免疫力とも比例しています。
知らず知らずの間に悪いものが確実に蓄積していく事実を理解して頂き未来の自分の為にも、家族の為にも、是非定期的な歯科への受診をお勧めいたします。
歯科衛生士
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