この記事は磯村医院の理学療法士の監修のもとに作成されています。医療情報は定期的に見直しています。
「夕方になると腰が重い」「肩が凝り固まって頭痛まで出てきた」——デスクワークが続く方から、こういった声をよく聞きます。
長時間の座り仕事は、体にとって思いのほか大きな負担です。しかし、ちょっとした習慣の見直しで、腰痛・肩こりの多くは予防・改善できます。
この記事では、磯村医院の理学療法士が、デスクワーカーに特におすすめする5つのセルフケアを解説します。
なぜデスクワークで腰痛・肩こりが起きるのか?
原因は主に「同じ姿勢の持続」と「筋肉の偏った使い方」にあります。
| 原因 | 体に起きること |
|---|---|
| 長時間の座位 | 椎間板への圧力が立位の1.4倍。腰椎の血流が低下する |
| 前かがみ・猫背姿勢 | 首・肩の筋肉に常に負荷がかかり、血流が悪化して凝りが生じる |
| 体幹筋の低下 | お腹・背中の筋肉が弱くなり、腰への負担が増える |
| 目の酷使・画面への集中 | 頸部の筋肉が緊張し、首・肩のこりが悪化する |
理学療法士がすすめる5つのセルフケア
どれも仕事中・休憩中に実践できます。すべてを完璧にやる必要はなく、できるものから取り入れてみてください。
① 疲れにくいデスクワーク姿勢をつくる
厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」を参考に、身体への負担が少ないデスク環境についてまとめています。
腰痛・肩こり予防の基本は姿勢です。ただし「正しい姿勢を保ち続ける」より、「こまめに姿勢を変える」方が大切です。
チェックポイント
- 足裏全体が床につく高さに椅子を調整する(届かない場合はフットレストを使用)
- 肩に力が入りにくい位置で肘を軽く曲げる
- モニターは目線より少し下・腕の長さ分の距離
- 背もたれを使って腰が後ろに倒れすぎていないか
② 1時間に1回、立ち上がって動く
座り続けることが腰への最大のリスクです。1時間に1回・2〜3分の立ち上がりだけで、腰椎への圧力と筋肉の疲労が大きくリセットされます。
すぐできる動き(各30秒)
- その場で足踏み・軽くかかとを上げ下げ
- 立ったまま腰を軽く左右にひねる
- 肩を大きく前後にまわす(各5〜10回)
💡 スマホやPCのタイマーを1時間にセットする習慣が定着しやすいです。
③ 肩・首のストレッチ(デスクでできる)
肩こりの原因は僧帽筋・肩甲挙筋・胸鎖乳突筋の緊張です。これらをほぐすだけで頭痛・眼精疲労の軽減にもつながります。
やり方(椅子に座ったまま)
- 首の側面ストレッチ:右手を頭の左側に添え、ゆっくり右へ傾ける。15〜20秒キープ → 反対側へ
- 肩甲骨寄せ:両肘を後ろに引き、肩甲骨を背骨に近づける。5秒キープ × 10回
- 胸を開くストレッチ:両手を後ろで組み、胸を天井に向けて開く。10秒キープ × 3回
④ 腰まわりのストレッチ(休憩中に)
長時間座ると股関節前面(腸腰筋)と腰背部(脊柱起立筋)が硬くなり、腰痛の原因になります。
やり方(椅子または床で)
- 腸腰筋ストレッチ:椅子の端に座り、片足を後ろへ引いて股関節前面を伸ばす。20秒 × 左右
- 腰のひねりストレッチ:椅子に座り、上半身をゆっくり左右にひねる。各方向3回
- 膝抱えストレッチ(床):仰向けで両膝を抱えて腰を丸め、30秒キープ
⑤ 目と首を20分に1回休ませる(20-20-20ルール)
画面を凝視することで首の筋肉は常に緊張し、肩こり・頭痛の大きな原因になります。眼科・理学療法士が推奨する「20-20-20ルール」が効果的です。
20-20-20ルール
20分作業したら → 20秒間 → 20フィート(約6m)先を見る
遠くを見ることで毛様体筋がリラックスし、眼精疲労と首の緊張が和らぎます。ついでに首をゆっくりまわすと効果的です。
セルフケアだけでは対処できないサイン
以下の症状がある場合は、整形外科への受診をおすすめします。
- 手・腕・足にしびれや痛みが出ている
- 安静にしても腰・首の痛みが続く(夜間痛)
- セルフケアを続けても2週間以上改善しない
- 痛みが急激に悪化した
- 原因不明の体重減少や発熱を伴う腰痛
よくある質問
磯村医院のリハビリについて
セルフケアで改善しない腰痛・肩こりは、姿勢の癖や筋力の偏りが原因のことがあります。磯村医院では、PT(理学療法士)が個別の姿勢評価・動作指導を行い、根本的な原因からアプローチします。
また、2026年6月6日より整形外科診療を開始します。「レントゲンで調べてほしい」「しびれも出てきた」という方もご相談ください。
整形外科 診療日:第1・第3・第5 土曜日 午前(9:00〜12:00)
まとめ
- デスクワークの腰痛・肩こりの原因は「同じ姿勢の持続」と「筋肉の偏り」
- 5つのセルフケア:正しい座り姿勢・1時間に1回の立ち上がり・肩首ストレッチ・腰まわりストレッチ・20-20-20ルール
- 「完璧な姿勢を保つ」より「こまめに動く」ことが最大の予防策
- しびれ・夜間痛・2週間以上の改善なしは整形外科への受診を
毎日の小さな習慣が、腰と肩を守ります。
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監修:磯村医院 リハビリ科(PT)|公開日:2026年5月25日
リハビリ
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